Book

よっちは小さいころから読書が大好きです。
しかし、本を読む速度が遅いので、ひと月に読める本の数は、せいぜい2、3冊です。
そんなわけで、このレビューも緩やかに増えていくのかなと思います。
なお、ここに書かれた評価は、あくまでよっち個人の感想・評価ですので、ご了解よろしくお願いします。
(★は5つが満点です)

Updated: 28th Mar.,2004



2002年の読書

2002年の後半に読んだ本の中から、いくつか思い出して書きます。
ちなみに2002年に読んだ本のベスト3は、
1位「航路」(上・下)byコニー・ウィリス
2位「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」byJ・K・ローリング
3位「アジアンタムブルー」by大崎善生 でした。

2007年の読書2006年の読書2005年の読書2004年の読書2003年の読書

INDEX(五十音順)

アジアンタムブルー航路ハリー・ポッターと炎のゴブレット

Amazon.co.jpアソシエイトに登録しています。
これより下の、各レビューの書名または商品画像をクリックすると、Amazon.co.jpでそれぞれの本を買うことができます。
気に入った本がありましたら、どうぞご利用ください。

リンク先が品切れの場合があります。ご了承ください。
古い単行本の場合、同じ本でも文庫化もしくは他出版社よりの再発売の商品にリンクしている場合もありますので、ご注意ください。
リンク先での商品購入で発生したいかなるトラブルに対しても、当ホームページの管理人は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

航路(上巻下巻)12月21日読了
コニー・ウィリス著、大森望訳ソニー・マガジンズ★★★★★

超傑作! 間違いなく2002年に読んだ本のベスト1です。
この作者の本は、前に読んだ「ドゥームズデイ・ブック」が超名作だったが、それには及ばないものの、この本も物語の面白さ、小説の“力”を感じさせられました。

臨死体験の真実を追う若き科学者たちの物語、と書くと何か小難しい話のように聞こえますが、この物語を特定のジャンルに入れるのは不可能です。そういう矮小なカテゴリーを超えたところにこの本の魅力がたたずんでいるように思います。ぜひ、ご一読をお勧めいたします。

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(上・下)11月23日読了
J・K・ローリング著、松岡佑子訳静山社★★★★★

おなじみハリー・ポッターシリーズの第4巻。もちろん第1巻の「賢者の石」から楽しく読んできたのだが、巻を追うごとにダークな面が強調されてきて、決して「子供に教育的に正しい」本ではなくなってきているところが嬉しい。子供たちもこういう部分に反応しているような気がする。親たちが言うような「子供の教育上よろしい」部分ではなくてね。絶対に「文部科学省推薦」なんかじゃないよ!

ラストも今までになくダークな終わり方で、しかも完全に次巻へつなげる展開。これはいやでも次が待ち遠しい。作者の本領は3巻あたりから発揮されている気がします。上下巻という、これまでの3冊に比べても圧倒的な長さのゆえか、読み応えは今までの中で随一。「アズカバンの囚人」と負けずとも劣らない面白さだった。お気に入りのルーピン先生が登場しないのは残念だが、もう一人のお気に入りのシリウスが大活躍するのは大満足でした。

アジアンタムブルー9月26日読了
大崎善生著角川書店★★★★★

オーソドックスに「泣かせる」物語。ラストのほうでは、けっこうジーンと来てしまった。死にゆく恋人に寄り添う物語、というととてもありがちに聞こえ、また実際ありがちなのかもしれないが、かえってそのストレートさに素直に身をゆだねてもいいのでは……と思う。読み終わったあと、愛する人にとても優しくなれる本です(笑)。

主人公の若きエロ雑誌編集者・山崎隆二が恋人を失ったあとから物語が始まり、彼の少年期の回想(彼のアイデンティティの源みたいなもの)を交えて、恋人・葉子との出会いから死別までが語られる。初めは抑えた文章だったのが、ラスト近くには感情の高まり(と、やがて味わう喪失)が見事に描かれている。

なんかねー、親近感があるんですよ、この物語には。よっちも(エロ雑誌ではないが)元編集者だし、主人公と同じくアジアンタムを我が家で栽培しているし、物語の後半の舞台フランスのニースには、3回も行ったことがあるので、ニースでのいろいろな描写がすごく「わかった」し……。

その親近感のせいもあるのだろうけど、すごくこの話が心に染み入ってくるような気がした。すごく大泣きするわけではないけれど、深く深く心の底でしみじみと物語の余韻を味わう、そんないい後味の小説でした。アジアンタムの写真をあしらった装丁が、とても素敵だったことも付け加えておきます。

禁無断転載 (c)2003-2008 All Rights Reserved by STUDIO UNICORN

inserted by FC2 system